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第4回 一番重要な商標は何か

日本人であれば蚊取り線香の「キンチョウ」は誰でも知っているでしょう。あの有名な蚊取り線香を作っているのは大日本除虫菊株式会社という聞き慣れない名前の会社であり、キンチョウという名前ではありません。

これほど有名な日用品を製造している会社で、これほど世間に社名が知られていないというケースも珍しいのではないでしょうか。この会社にとって重要な商標は、ブランド名である「キンチョウ」や「KINCHO」であって大日本除虫菊株式会社という社名ではないといえます。

ブランド名が重要な商標であって、会社名は重要な商標ではない企業というのは実は珍しくありません。例えば、NationalやPanasonicのブランドを使用している松下電器の場合も同様であり、NationalやPanasonicに比べれば、社名はそれほど重要な商標ではないということができます。

一番重要な商標が何であるのかは各企業によって異なります。顧客に対し、どんな商標を浸透させたいのか、どんな商標が浸透しているのかをよく考えて、自社にとって一番大切な商標はコレ、二番目はコレというようにハッキリさせておく必要があります。

ところが、知的財産部を設けていない中小企業の場合、このような検討を行って行動している企業は少ないのが実情です。期待の新製品なので、念のため商標登録しておこうという場当たり的な対応を行っている会社が多いのです。この様な会社にありがちなのが社名を商標登録していないというケースです。

しかも、このような中小企業に限って、ブランドが確立されておらず,商品や広告の目立つところに会社名を表示しており、事実上、会社名が最も重要な商標になっているというケースが多いのです。それにもかかわらず、会社名は商標登録していないのです。このような状況で、万一、社名を商標として使用できなくなったり、あるいは、社名と紛らわしい商標を他社に使用された場合には、大きな痛手を被るおそれがあります。

そうなる前に、社名が本当に重要な商標ではないのかをもう一度検討されることをお勧めします。もし、貴方の会社が商品や広告の目立つところに社名を表示できなくても困らない会社であるとすれば、それは商標が重要でない業態であるのか、あるいは、社名に代わるようなブランドをもっているのかのいずれかでしょう。それ以外の企業は、社名の商標登録について検討されることをお勧めします。

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